|
いびきで悩む人は多い。その音がうるさくて周囲の人に迷惑なだけでなく、熟睡していないため、頭がスッキリせず、集中力の欠如、意欲の減退、日中の激しい眠気等昼間の生活にも多大な悪影響を及ぼす。
いびきをかく人の約10%が睡眠時無呼吸症候群だとのデータもあるが、こうなると「たかがいびき」ではすまなくなる。また、高血圧症をはじめとして循環器障害や心臓疾患、糖尿病、脳疾患等を誘発することもしられている。
まさに「百害あって一利なし」のいびき治療の一つがスリープスプリント。今回は、佐々木歯科クリニックの佐々木教裕院長に、ちょっと耳慣れないこの治療について教えてもらった。
まずはいびきの起きるメカニズムから。いびきをかくのは、気道が狭くなることによって呼吸音が共鳴するから。扁桃腺肥大によるものや肥満等原因は様々だが、舌がノド側に落ちることによって気道が塞がり、それによっていびきが生じる「舌根沈下」が原因の人がかなり多く見られる。
スリープスプリントは、その舌根沈下によるイビキの治療に非常に有効。「分かりやすく言うなら、専用のマウスピースを就寝時にはめることで、舌根沈下を防ぐものです。」
この専用マウスピースのような器具、良く見るスポーツ用マウスピースと形状はよく似ているが、固い。これを口に入れるのは違和感があるのでは。「すぐ慣れますから大丈夫。」
スリープスプリントを装着することで、下顎を少し前に突き出すような口の形を作り出す。それによって舌がノドに落ちるのを防ぐのだ。
歯型を取り、その人に合ったスリープスプリントを作製、使用感等を確かめながら完成させていく。個人差はあるが、おおよそ3~5回程度の来院で完成、歯周病等で歯や歯ぐきに大きなトラブルが起きなければ半永久的に使用出来る。
スリープスプリントの一番の長所といえば、手軽に持ち運びできること。「出張や旅行の時など、周囲の人に迷惑をかけず、安心してぐっすり眠れます。」
いびきをかかなくなることで、周囲の人への迷惑がなくなることはもちろん、熟睡できるため、集中力の欠如やボンヤリ感等からも開放される。何より、昼間の急激な眠気による事故が問題視されている睡眠時無呼吸症候群ともおさらばできる。
スリープスプリント治療にかかる費用は4万円から6万円くらい(自費診療)。保険適用となる場合もあるが、設備の整った病院で一泊で検査をせねばならず、その手間や費用を考えると、自費診療を選ぶ人がかなり多いのが現実。
「いびきは一種の慢性疾患、なかなか完治はありませんが、スリープスプリントは手軽な治療法で、試みる人が増えています。」何より一緒に眠る家族の為にも、いびき治療は早いに越したことはない。
|